邑の映画会 VOL. 5
| キツネとウサギ |
| 1973年/ロシア/12分/35mm/カラー |
| 監督/ユーリ・ノルシュテイン |
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キツネに家をとられてしまった、森のウサギ。力じまんの動物たちがウサギの家を取りもどそうとします。
でも、オオカミもクマもウシもどうにもなりません。そこへ、小さなおんどりがやってきて「ぼうしにしちゃうぞ!」と元気いっぱい。
子どもたちはドキドキしながら応援します。ヨーロッパの民話を、なんとも愛らしく、ユーモラスに、民族的なタッチで描き、
監督が世界で注目を浴びるきっかけになった作品です。 サグレブ国際アニメーション映画祭グランプリ ©サユーズムリトフィルム |
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| アオサギとツル |
| 1974年/ロシア/10分/35mm/カラー |
| 監督/ユーリ・ノルシュテイン |
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なかよしなのに顔をあわせるとすぐケンカをしてしまうアオサギとツル。ドキドキしたり、プンプンしたり、かなしくなったり、うれしくなったり・・・。
大好きなのに、いつも二人は行き違い。その表情を切り絵やセル画で少しずつ動かし表現したこの作品は、野原の草むらの風にゆれる音まで聞こえそう。
ロシア民話をもとに、奥行きのある映像で、撮影台を移動しながら、透き通るように美しく描いています。 アヌシー国際映画祭審査員特別賞 ©サユーズムリトフィルム |
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| 霧の中のハリネズミ |
| 1975年/ロシア/10分/35mm/カラー |
| 監督/ユーリ・ノルシュテイン |
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森のハリネズミは、イチゴのジャムを持って仲良しのコグマの家へ遊びに行きます。野原は真っ白な霧、何も見えません。
突然現れるコウモリや、カタツムリ、大きな木、白馬・・・。子どもたちはドキドキしながら、森の不思議にであうでしょう。
学校で、何度も見て、みんなで話し合い、たくさんの森のお話が生まれました。「ハリネズミは旅に出たんだ」と。
多感な子どもたちに見せたい、不動の作品です。 テヘラン国際児童少年映画祭グランプリ ©サユーズムリトフィルム |
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| 話の話 |
| 1979年/ロシア/29分/35mm/カラー |
| 監督/ユーリ・ノルシュテイン |
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灰色おおかみのまなざしを通して、描かれるこの作品。なつかしくて、悲しくて、さびしくて、暖かくて、そう、いろいろな感情が近づいたり、
遠ざかったりしているのです。誰の心の中にもある記憶のように。監督は、「幸せとは何かを永遠に記憶しなければならない。
それは、平和な日が毎日続くこと・・・」と語ります。子どもたちは「いろんな話がくみ重なっているようでした」と。
世界中の人々に絶賛された監督の代表作です。 オタワ国際アニメーション祭最優秀賞 ©サユーズムリトフィルム |
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| 眠る男 |
| 1996年/日本/103分/35mm/カラー |
| 監督/小栗康平 |
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自然と人のありようを静かにゆっくり紡いだ時間が、慌しく流れる今の時間に、問いかける。人と人とがかかわって心豊かに生きることを描くこの作品は、監督の言う、「映画は夢」に他ならない。一人ひとりに問いかける。
魂を持って問いかける。「生きる」という物語を。表現された映像は、音楽と共に、あまりにも美しく柔らかく、見る者の心を捉えて離さない。
何回も何回もじっくり見たい、群馬が誇る映画です。 モントリオール世界映画祭審査員特別大賞 ©群馬県 |
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